2人が本棚に入れています
本棚に追加
惑星フロンティアへと帰る船の中、ジュンが座席でパソコンをいじっていると隣の席にクレアが座ってきた。
「どうしました?」
「ねぇ、ジュンくん。ナナセさんの様子おかしいと思わない?」
「そうですか?僕、仕事中のナナセさんは分からないので、あまり気にならなかったんですけど」
「何だかよそよそしいって言うか、いつもならもっと近くにいてくれるような気がするんだけど」
気のせいかな?と言いながらも、腑に落ちない様子のクレアにジュンが笑う。
「大丈夫ですよ、クレアさん大好きじゃないですか」
今まで何度か食事をしたが話題はほとんどクレアのことで、本当に好きなんだなと感心するほどであり、そのナナセがクレアを避けることなどあるはずがないと確信を持って言える。
「ふふふ、ごめんね?」
ジュンの気持ちを知っていて、ナナセに好かれている優越から悪戯っぽく笑うクレアにジュンも苦笑いを浮かべた。
そんな二人のやり取りを座席の後ろの通路で聞いていたナナセは、席にいなかったので探していたクレアに声もかけずそのまま踵を返した。
最初のコメントを投稿しよう!