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宇宙港のロビーで荷物を受け取ったクレアとナナセに、ジュンが挨拶をする。
「お疲れ様でした。僕はここで終わりってことで良かったんですよね?」
「はい、ありがとうございました。お疲れ様です」
「ジュンくん、ありがとうね。お疲れ様」
クレアが右手を差し出したので、ジュンもそれに応じて握手をする。
「私は事務所戻りますけど、クレアさんはどうします?自宅に戻られますか?」
「もう帰っちゃって良いんですか?それじゃ、家の中のことも心配なので帰ります。お兄ちゃん一人だと、何もしてないから怖いなぁ」
「それじゃ、私たちはここで失礼します。クレアさん、行きましょうか」
ちょっと素っ気ないかな?と思いながらも引き留めることも出来ずに、二人の後ろ姿をジュンは見送った。
クレアを自宅に送り届けて、事務所に戻ったナナセは真っ直ぐに社長のエルモの前に立った。
「社長、戻りました」
「お疲れ様です。大成功だったみたいですね。良かった」
「はい、素晴らしいコンサートでした」
満足そうに頷くエルモに、一呼吸置いてナナセが口を開いた。
「…社長、折り入ってご相談があるんですけど」
サングラスの奥でエルモの瞳が不安な色に揺れた。
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