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茫然自失のまま立ち尽くしていると、肩をポンと叩かれて振り返るとカンナとキースが。
「どうした、こんなところでボーッとして」
「あ…先輩」
「何だよ、暗い顔して。マネージャーさんとケンカでもしたか?」
キースの軽口に、一瞬笑って誤魔化そうとしたがすぐに表情が強張り、顔を見られたくなくて俯いた。
「ケンカだったら良かったんですけど」
「え、何、お前もしかして…」
「キース!」
カンナがそれ以上言うなと、キースの言葉を遮った。
「すみません、僕今日は気分が乗らないのでゴーストのメンテにします」
それだけ告げると、頭を下げて足早に格納庫へと向かっていった。
今日は本来ならば外宙で演習だったのだが、女に告白された日と振られた日はVFに乗るなの教えに倣ったのだろう。
どちらの場合も気持ちが不安定で危ないからだと、キリナが冗談半分で教えてくれた。
「上手く行ってたんじゃ無かったのか?」
「俺に聞くなよ。デートだって何度もしてたみたいだし、ナナセさんも楽しそうだってエティアも言ってたんだけどな」
「クレアちゃんの護衛の時に何かあったのか?」
二人して首を捻って黙り混む。
こうして考えてみると、応援するつもりでも話が見えなければどうすることも出来ないのだ。
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