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「すばる」で「よしもとばなな」を食べたとき、昔の「ばなな」と同じ味がした。ただ、みずみずしさは欠けていたが。それを思ったとき、「オール読物」の後味を捜索してみた。
あと、一遍あった。
思い出した。思い出したぞ。
私の感情を刺激したものが、もうひとつ。
ラディカル、ラディカル、、、、
大衆対一の話。私の逃げる女と同じテーマを描いたものだった。一の言動をラディカルな話、と笑った主人公の友人が印象深い。
○新人女性作家、清掃の契約社員で食いつないでいる。大学時代の同級生グループ、仕事先でのグループ、先輩との付き合いのなかで、自分の居心地の悪さに葛藤する。妥当性と正義はこちらにあるのにもかかわらず、集団の総意にのまれそうになり苦しむ。親の七光り上司が、雇用者の前で叩きのめされて仕事を辞める事件が起こる。彼は社会では「はだか」になるのを知らなかったのね、と同僚が言い気づく。自分も上司と同じであったことを。そして、小説を書かねばならない、と。
○深夜枠のアニメのレギュラーをもつ新人声優。エロい犬を研究し四苦八苦しながら、人気をかちとる。ネット上で話題になるが、「世界を声で変えてみせる」の志に自分が根ざしているか不安になっていく。周囲の支えや揶揄の中で、エロ犬声優が「世界を声で変える」と言い切るまでの感情が揺れ動く。
まるで、私のためにあったような「オール読物」7月号だと思った。
そうだ、私は書かねばならない、
私がよいと思うものを極めればよい
お手本などない
セオリーもない
私が私で磨いてきた感性を極めればよい
そもそも、私はもうすぐ36歳
よいものもわるいものも自分で判断して決めてきたし、考えることも促されてしてきたわけでもない
私はわたしだ
サカナクションの山口氏のように
ラッドウィンプスのように
(ただし、歌詞は苦手)
ラディカルな私は、そう、ふっと思ったのだった。
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