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旦那も、私を「女」としてとうに見なくなっていたのだろう。性欲狂いになった私は女の色香が出ていたとは言いがたいものもあった。私をみつめる旦那の目は、アレに似ていた。20歳のときに、黒塗りリンカーンで送ってくれたアイツに似ている。酒の力もあいまってか、私の性欲はマックスに達したのに、こともあろうに、据え膳を食わずに捨て置かれた。
だから、男は据え膳を食うべきだと常々信仰している。
友人もワゴンレディを辞めてしまったので、私が続ける理由などなくなった。同じように辞職しようとしたら、店長がひきとめた。ひとがいないのは明白だったので、ひとがはいったら辞めるという話になった。ひとがはいっても辞められなかった。ついに、バイトリーダーとか社員にならないかなどと話がでてきた。私はムカついていた。
で、いくらもらえるの?
月給14万。あほか。腹が立って腹が立って、私には価値があると吼えた。そしたら、価値があるから誘ってるんだよ、と店長も吼えた。14万でその労働時間はいただけねぇよ、、、と言う主旨がちっとも伝わってなかった。あほくさいので、休日、本来の教育職の仕事着を着て、辞職表を机にたたきつけた。私の専職はコッチだよ。家庭教師やってたほうがなんぼでもいいわ、てなことである。
そうして無事辞職したら、見事なまでに色欲狂いが完治してしまった。夫は色欲狂いの私を変な生き物のように見ていたので、完治した私をほっと胸をなでおろすかのように見ていた。私はというと、別段何も思うことはないが、ちょっと失礼じゃないか、とどこかで思っている。ちょっとくらいは、色気のある話があったほうがいい、とさえ、思う。だが、しかし、夫は、まるで「友人」のようなのだ。
私の友達は、みんな私の夫が大好きだ。そのうち、2人が同じことを言った。私の夫は、女性を女だとしてみていないから安心する、と。Mちゃんなどは、タバコ部屋で着替えをしていたら、夫が入ってきたそうな。そういえば、妹の全裸も見たことがあったな。
そう、夫は、女性をいやらしい目でみるようなひとではない。
だが、それは、、、、、、
うーーーーーーん
ま、いっか。
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