反省しましたよっとな

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「ああ、それね、私はいつもそれをしていたのよ。小学生の頃からよ。象徴的な事件は、○○だった。あのときよりも前にしたかは覚えていないけど、確実に、あれから、私は家庭でそういう役目をしていた。私がそれをしなかったのならば、今のこの家は成り立たない。 私はいろんなひどい目にあったけれど、それでも、階段が荷物で埋まって歩けなくなることはなくなったわ」 Mちゃんは現在の家を知っているので、そんなにひどかったのかとびっくりしていた。 「そうだ。私がここまで引き上げたんだよ。誰も、意思を持っていなかったし、そうしたしつけにも似た働きを、この家で私がすることすら厭われたんだよ。それが悪かったか、よかったかなんて、私にはわからない。だけど、私がやらなければ、今の家がないことは確かだよ」 そしたら、Mちゃんは、「かわいそうに」と言ってくれた。私は私で、Mちゃんの指摘を素直に私が受け止めたことや、それを糧に学びきることが、Mちゃんへの感謝に繋がると分かっているとも伝えた。私はいつも伝え手であったから、どうしたら喜ぶのかを知っていたし、足がすくむような想いをすることも知っていた。 「足がすくむからではないけれども、そうして、私はずっとしてきたよ。誰だってやりたくないよ。だけど、私しかやるひとがいなかったんだ。そして、やってくれないからと言われて、私は自分でやりなさい、とそれすらも、こうして伝えなければいけなかったんだよ。それはとても、しんどいことだった。 ありのままでいい、と言われても、私は今までありのままで生きたことはないから、ありのままで本当に大丈夫かすら心配になる。 私が本当にありのままでよかったのなら、本ばかり読んでいたし、文章も書いていたし、絵も描いていた(高校のとき、美大志望だった) 」 いくつかの話の後、私のどこからかわいてしかたない怒りは、傷つきによるものだということを理解した。そういえば、私は私を自分で癒していないことに気づいたまま、放置していた。主に10代から今までの話だ。悪口をぶつけられながら掃除をしてきたことを思い出しながら、家族に問題意識を提起したことなどを思い出して、ポロポロと泣いたことを忘れていた。つながっているとは思いもしなかった。 そしたら、涙がでてきた。
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