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昔々、今から八百年ほど前の頃の話し。
この家の主(あるじ)に中川という貧しい武士がおった。主には、妻とともに毎日、神頼みをせねばならぬ程なかなか子供が授からず困っておったそうな。
そんなある日、妻の夢の中で神が現れ、仰られた。
「そなたらを哀れに思い参りました。わたしの子をそなたらの子として授けます。大事に育てるのですよ」
妻は、夢から覚めると、すぐに夫に知らせた。主は妻の話しを聞き、おおいに喜んだ。
そして、夫婦の間に可愛らしい女の子が生まれたが、奇妙なことにその子の頭には角が生えていた。
それを見た夫婦は驚いたが、神様が授けてくれた子だから大事に育てようと固く誓ったそうだ。
その生まれた女の子は、綾と名付けられた。
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