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じつはな、おじいちゃんは子供の頃に綾姫さまに逢ったことがあるんだよ。
そう、あれは第二次世界大戦が終わって数年、日本が平和になり始めた頃のことだった。
当時、この村は奇跡的に戦争の被害に遭っておらず平和に暮らしておった。
ある時、都会からダムの建設者がこの村に訪れて来た。
「皆さん、平和になった日本で、このような寂れた何にも無い村を捨てて都会に移り住んで下さい。わたくし共は、この村をダムにするべく来ました!!」
これを聞いた村人達は、猛反対した。
「この村はあの戦争から奇跡的に被害を免れたんだ! それに、ワシらは、この村にずっと住んでいるんだぞ!! この美しい村を沈めるとは何事だ!!」
ダムの建設者達も負けじと反発したが、ここで村の権力者であるおじいちゃんのお父さんが出てきて断固反対して追い出した。しかし、ダム建設者達は、懲りずに何度も村に来た。おじいちゃんも子供心にダム建設者の人達を許せないと思い、友達を連れて泥や石を投げつけて追い出した。
それが、攻防戦が始まる切っ掛けになり長く続いた。
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