第二章 クリスマスの出来事

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 姿が見えなくなると、店長は煙草に火をつけてつぶやいた。  「……誘拐ったって、田中さん本人から家に帰らないってだけの連絡だろ?誘拐になんのか?」    「水野……お前、本当に山本と話してないのか?」  「話すもなにも、私クリスマスイブから連絡とれてないですから……」  ソレを聞いて事務員さんがびっくりして言った。  「ハルちゃん、あんた、一樹くんとイブ過ごすために休みとったんじゃないの?会ってないの?」  「会ってません。というかすっぽかされました……って、あの男の人なんなんですか?」  店長はふ?っと声にだして煙草の煙を吐き出すと、私にとって衝撃的なことを話し始めたのだ。
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