第二章 クリスマスの出来事

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  一樹は私の3歳年上で、私が緑ヶ丘店に来る前の岡崎店で一緒に働いていた。  イブの日は岡崎店と緑ヶ丘店の両方の店長に無理をいい、2人そろって休みを貰っていたのに、その時間を一緒に過ごすことはできなかった。でも、怒るとか寂しいとかではなく、まだその時は心配のほうが大きかった。  車で事故って病院に運ばれたとか、ご家族に不幸があったのでは、とか。  翌日、携帯も繋がらないので一樹の勤務している店に電話をかけたら、イブの夜にしばらく休むとの連絡があったと聞かされた。店に連絡はできるのに、なぜ私にはないのか、不安になっていた。  連絡がとれなくなってから3日後、私は仕事中に店長に呼び出された。レジを止め、事務所に向かうと、そこには心配そうな顔をした事務員の林さんと、困ったような表情をした木下店長。 そして、30代ぐらいの男の人がいた。
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