第二章 クリスマスの出来事

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 「う?ん、それはちょっとまずいですね……一応、個人情報ですので……とりあえず、こちらで山本に連絡とれるようにしてみます。その上でまた田中さんに……」  「それじゃあ、遅いんですよ!!」  大声をあげた男性に私も林さんも驚いて、顔を見合わせた。  (誰?この人?)  口パクで聞いたが、林さんは困ったように顔の前で手を振った。  「今、この時間も家内は……妻は、おたくの山本と一緒にいるんですよ!何されてるかわかったもんじゃない!こうやって来たら教えてくれると思ったのに、もういいです! いまから警察に言って、誘拐されたって言います!」    事務所を出て行った男を店長と私と事務員さんはあっけにとられて見つめていた。
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