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「松井さん、今日車でしょ?運転できますか?」
「しばらく・・・・休めば・・・・」
荒い息で答える。休めば大丈夫に、ホントになるんだろうか?
「あの、松井さん、よかったら代わりに運転しますよ。」
「・・・・あんたは・・・・どうやって帰るの?」
「この前と同じように自転車を積んで行って、松井さんの所からそれで帰りますよ。」
松井さんが着替えるのを待って、体を支えながら一緒に休憩室を出た。晶が駆け寄って来た。
「松井さん、大丈夫?」
「晶、僕が運転して送って行く事にしたよ。」
晶がもし自分で出来るなら、きっとそうしたいだろうし僕も代わってあげるのだけど、晶は10時上がりで、まだ十八になってなくて、免許もないのだ。
「わかった。頼むよ豊。」しゅんとして仕事に戻って行った。
自転車をキャリアーにかけ、キーを受け取って僕は運転席に掛けた。松井さんは時々道を指示する以外はぐったりとシートにもたれていた。
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