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初めて訪れる松井さんのアパートは白くてかわいい建物で、駐車場には彼女のバイクがあった。僕は彼女を支えながら部屋に入り、入って二間ある手前の部屋のセミダブルのベッドに寝かせた。
「松井さん、薬とか、ある?夕飯も食べてないでしょう?何か買って来ましょうか?僕は男だから、家には電話しておけば少々遅くなっても大丈夫だから。」
「バカ言わないで。職場の高校生の、しかも男の子を、こんな時間に部屋に置いとく訳にはいかないわ。送ってもらって何だけど、これ以上遅くならないうちに、早く帰りなさい。」
「そうは言われても、このままじゃ松井さん、眠る事も食べる事もできないでしょう?誰か、家族とか、友達とか、呼んでください。そしたら帰ります。この状態で置いて行けません。」
「・・・分かった。電話とって。」
僕はそばにあったコードレスの電話を取って彼女に渡した。松井さんは慣れた様子で短縮ダイヤルをプッシュした。
「もしもし、私。今大丈夫?ちょっと具合が悪くて・・・・来て欲しいの。」
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