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僕の立ち居振る舞いは、周りには奇異に映ったらしい。僕の口から出ることはあまりに哲学的かつ論理的で、上から目線に感じられると指摘を受けた。精一杯伝えようとするとそうなる僕は、集団で生活するのが怖くなった。
自傷行為に近かったかもしれない。もしくは自分を守る盾だったかもしれない。ピアスを開け、髪を染め、本来居た自分を消していくたび、皆の仲間入りしていくような気がした。そしてそれは、ちっとも嬉しいものじゃなかった。
集団は苦手だ。病院に長く勤めることが出来ず、別の仕事をすることにした。家で出来ることを考え、子供と接することが好きだからと、託児所を開いた。
しばらくは悩んでばかりだったけれど、次第にそれにも慣れてきた。
その日はとても暑く、僕は水撒きをすることにした。そうして良かったと、この巡り合わせには感謝している。
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