第1章

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夕焼けに染まる港は市場の活気が嘘のように静まりかえっていた。 閑散という言葉は今この時間帯の為にあるのではないだろうか? 波間に漂うカモメのカップルは二人だけの時間を有意義に過ごしているようにも見えた。 あの時俺にはそんなつもりはさらさらなかった。 友季子(ゆきこ)に言われた言葉が胸に染みる。 この先の水平線のさらに向こうには何があるのだろうか? 友季子の心はどこか遠くにいってしまったのか? 何故あんな言葉をいってしまったんだろうか? '後悔は夕方にやってくるもの' 何かの本に書いてあったのをふと思い出した。
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