第1章

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沖に出ると波は穏やかだった。 朝焼けに波たつ潮風が頼りない俺の背中を後押しするようだった。 釣糸を垂らした俺は何処か清々(すがすが)しさにみちていた。 今日は何かが違うと・・・ 数時間が経とうとしていたが、これという当たりはなかった。 時折仲間からはぐれたのか放浪中のカモメが船の近くに寄ってきた。 カモメの群れでも見付ければ別だが、はぐれもののカモメは大物の居場所は教えてくれない。 無線が鳴っている事にも気付かずカモメを見つめていた・・・
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