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イヤらしい話。
その個人の社会的地位に準ずるようにしている。
要は、色んな内緒事があるからだという事にしておこう。
「で」
「はい、後藤様」
「俺は入会できるんですか?
……Kさん」
「勿論です
但し、ルールは守っていただきます、それさえ良ければ、ですが……」
終始、にこやかに話した。
「胡散臭いって言われませんか?」
吹き出した後藤が声をあげて大笑いする。
「全く言われません」
「わははははははははははは」
気がすむまで笑い倒した後
「ああ、室館さん、今日はジム行きます?
俺、行くんですけどその後乾杯しましょうよ、奢ります」
「そんな、お気遣いなさらないでください
後藤様」
「わー、気持ち悪ぅ」
何の目的で入ってきたのかは分からない。
後藤とは時間を合わせてジムへ入ることにしておいた。
酒を飲む機会はあったがやっぱり深く話し込んでみないと、なかなか本質には辿り着けないもんだな、と改めて思っていた。
ここでオレは後藤の意外な趣味を知る事になるが
個人情報保護の点からまだ秘密にしておく義務がある。
まぁ、それなりに上り詰める輩というのは
一癖も二癖もあるもんなんだ。
「内緒ですよ?」
上機嫌で楽しそうにグラスを傾ける後藤に
勿論です、とヤツの言う胡散臭い微笑みをたっぷり返してやった。
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