第4章

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「もう、ほんっとに、信じらんない! 塾長、何プレイですか!」 水島が、バッチリと目を見開いた。 あははは、と笑ってベッドへ寝転んだオレを見下ろす。 「酷すぎるんですけどっ」 怒りを露にする水島は 今までのどの水島より可愛らしかった。 「いや、悪い悪い、オレも歳だな。 アハハハハハハハハ」 大笑いすると余計に膨らむ水島の頬が ベッドサイドのオレンジの灯りをテカリと反射させた。 「今の今まで勃ってたじゃないですか!」 「そうだな」 「さっきもバッチリだったじゃないですか!」 「そうだな」 水島が視線を落としたのは 勿論オレの股間。 ぐにゃり、とただぶら下がっただけの情けないそれを見てあからさまに溜め息を吐き オレを見上げて、首を振る。 「も、ありえない、塾長、有り得ない…… 二回続けてとか? 失礼にも程があり過ぎて驚く事もできません」 水島も裸でベッドの上に座り込み有り得ない談義に花を咲かせる。 いや、花が満開なのはオレだけで、水島は怒りと呆れを交互に爆発させていた。 「綺麗なカラダなのにな」 「私の所為にしないでくださいっ!」 「おかしいなぁ」 「もー、マジでムカつく!」 「とりあえず寝るか」 「うっそ!信じらんない!」 足首を掴んだまでは良かった。 ギンギンに聳えて勃ち漲ったモノを水島に埋めようとして 脳みそじゅうにストップがかかる。 危うく、埋めてしまうところだった。 アルコールと、ちょっとしたイライラに任せて 水島を捌ける穴にしてしまうところだった。 「思い留まったオレ、凄いだろ」 「凄くないっ!」 鼻と鼻を突き合わせるくらいの距離で お互いの目が寄るくらい近くで 何を言い合ってるんだ。 「ほら、寝るぞ。 おいで」 「帰ります!」 シーツに潜り込んだオレに べー、っと紅くて長い舌を出しヒラリと立ち上がった水島はそのまま惜しみなく裸体を曝しながらバスルームへと移動した。 ……脳みそに規制が掛かる事なんて なかったのにな。 これが、EDの第一歩なのかもな。 シャワーが流れる音が、少しだけ開けられた扉の隙間から漏れてくる。 耳に心地よいそれを聞きながら暫く天井を見つめていた。
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