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まるで別世界だ。
自分は何もしていなくてもストーリーが語られていく。
こんなものだったのか、オレが目指していたものは。
微かな自問にさえ答えが見いだせずにいるのに、滞りなく運んで行く人生のシステム。
沢山のルールの中にいて、今はそのルールさえも自由の手助けをしてくれる。
ここに来ていても、誰も文句一つ溢さない。
押し付けてきた仕事でさえも、責任を持って全うされている。
そして、昼間から20ほども歳の離れた女に己を勃てて、いいように弄び、これからもっと酷い事をするというのに。
誰一人それを咎めない。
まぁ、いいのか。
いつか、罷り通らなくなったらまた考えればいいのか。
小さなノックの後、三枝がいつもと変わらない様子で戻ってきた。
「No.68様、ヤヤさん、お帰りになりました」
「ごくろうさん」
入り口付近で立ち止まったままの三枝の目の前まで進み
そこで跪かせてさせる事はただ一つ。
「ほら
次のチャイムが鳴るまでに何とかしろよ?」
頭を撫でながら抑揚を付けずに吐いたセリフに
ぶるりと震わせた身体。
細い指がカチャカチャと拘束を緩めていく。
ピタリと肌に添ったボクサーパンツの中で中途半端に撓る一竿。
指を下から這わせてウエストのゴムをゆっくりと下げると
まだダラリと脱力しているそれが剥き出しになった。
「オーナー……」
「ん?」
「失礼、します」
顔を擦り寄せてそこに柔い刺激を与えこっちの支配欲を奮わせ、自らの従属欲を肥えさせる。
三枝の目論見通り中心に1本の鋼が通った。芯が固まり始めるとやっとその根元と楕円の境目に舌が這う。
最初は手荒な事はしない。
徐々に覚えさせるんだ。
まぁ、三枝はどちらかというと、最初から飛ばしたパターンだが。
壁に手を付いて
「三枝、凭れて」
冷たく言い放ち、腰を進める。
「死にそうになる前に教えろよ」
じわりと潤んだ三枝の瞳から大量の涙がこぼれ落ちた。
全てを吐き出そうとする無様な音が聞こえた後
きっと何度も口の脇から零れた液体は消化を促すそれ。
自分勝手に振り、三枝の目が白と黒とを往き来するそれを見ながらもう、ほぼ空っぽの胃の中へ不快物を送り込んだ。
倒れ込んで咳き込んだ三枝を抱き上げ
部屋の電話からマンションの事務所へ繋ぎ、顧客の対応を頼むと、そのまま風呂場へ飛び込んだ。
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