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で?
そんなに驚く事だろうか。
「なーんで室館のとっつぁんが、ここに?」
「待ち合わせしただろう?」
目の前に立つまだまだ若きエンジニア。
「いや、したにはしたんだけどさ」
「じゃ、早速始めますか。
初めまして、Kです。
本日は当サロンの概要について説明をさせていただきます」
ゆっくりと言い終えて、頭を少しだけ下げ‘どうぞ’と促したのは、上座。
特にもてなすつもりはないが、今日はこっちの仕事であっちとは関係がない。
「って、はぁ?マジか??
あー、そういう事か!」
『サイバーテクノロジー社』はこの後藤 健介(ゴトウケンスケ)がまだ大卒間際に立ち上げたものだ。
その頃は小さなシステムの開発とプログラムをメインに売り出していて、そんな頃東進ゼミのシステムを組んでもらってからずっとの付き合い。
面接なんてしなくても、こいつの素性は分かりきっている。
だから今日は
「で、何が希望?」
「いやいや、室館さん、唐突ですね、相変わらず」
あはは、と笑っている後藤を置いて
「どういうのがしたい訳?」
「いや、ビックリしてるんだから
ちょっと待ってくださいよ」
「ま、こんなこともあるだろ」
「ないですよ!」
「……なんでまたこんなのに入ろうと思った訳?
お前なら、……失礼、後藤様なら好き勝手し放題でしょう?」
にこやかに笑うと、後藤は顔を顰めた。
「ここのサロン、有名なんですよ?
けど、みんな審査でKOくらうって。
ちょっと興味あるじゃないですか
先輩がね、会員なんですけど結構ハードな事もやってるって」
「そうでしたか」
単独会員がない理由、そうだ。
審査でまず振り分けするからだ。
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