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狭い路をゆっくりと進むのは
そこの感受性の鈍さを払拭する為だ。
何度出入りを繰り返しただろうか。
カウントしていたら、間違いなく天文学的な数字の筈。
熱さが纏わり付き拒むように圧し包んでくる感覚が
'堪らない'と思わせる。
薄いポリウレタン1枚を取り去ってしまいたい気分だ。
「……はぁ」
息を吐き、暫く動かずにそこに馴染むのを待つ。
いや、味わうんだ。
目を閉じて感じる。
温かく滑らかな凹凸がざわめき
その一つ一つがそれぞれにオレを誘う。
「あぁ、いい」
繋がりに素晴らしさを感じるのは、この女だけだ。
「ナオ……」
応えたのは身体の方だった。
まだ、もう少し若い頃はそう呼んでいて
追憶に反応する従順なそれが、また追い打ちをかけるように刺激を与えてきた。
ギュウと締め付けられて、縋り付くように甘えだす。
男の射精は呆気ないモノだ。出す瞬間より溜まったモノが膨らみ管に流れ込むその瞬間に快さを感じそこを通り抜けてしまうと一気に脱力に襲われる。
その点
頭で感じる女は何倍も強い快さを永く永く得られるんだと聞く。
「……ナ、ォ」
いつもとは少しだけ違う営みが新たな幸せをもたらし
彼女の奥深くのスイッチを押す。
気持ちが良すぎて
いつスパートをかけようか我慢に我慢を重ねて
もう何度目かしれないナカの畝りを掻い潜り
囁く。
「ナオ、イって、いい?」
そんな事を乞うオレを見つめて、またナカを縛る。
「っ、あ」
汗が途端に吹き出して
心臓がザクリと走り出す。
掴んだ腰を逃がさないように強く掴み
最後の最後まで、膜の中に吐き出した。
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