始まり2

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「それが頼まれていた資料だ。詳細は向こうに行ってからだ」 『さすがだな、大量にあった情報をこれだけに絞り出すとはな』 俺は、佐伯紫苑(サエキシオン)。 現在はアメリカに住んでいる。 だが、その生活も終わる。 今日、日本にある私立月華高等学校に編入することになった。 といっても、今は飛行機(プライベートジェット)で日本に向かっているところだ。 なぜ、急に飛行機に乗っているのか、そして、なぜアメリカに住んでいた俺がいきなり日本の高校に通うことになったのか、遡って話そう。 ・・・・それは、ちょうど一週間前・・・・ 「ミカ、そろそろ全ての準備ができるぜ」 『そうか・・・・』 やっとこの時を待っていた。 ここは、アメリカニューヨークのちょっとした外れにある建物の中。 俺たちは、ここである準備をかなり前から始めていた。 「よぉ!ミカ!!もうそろそろ行ってしまうのか!!?」 「サムも着いていくのかぁ??やっとここも静かになるぜぇ」 ガハハハハハハっと男達が派手に笑い始めた。 そこら中には、酒の予備や酒の空きで、床も見えないほど汚かった。 『あぁ。あと一週間ほどで飛び立つよ』 「俺だってあんたらと長い間会わないと思うと嬉しすぎてしょーがねーよ!」 「何だと!!?サムやるのか??!」 「上等だよ!かかってきな!!」 ギャラリーも増え始めてきた。 俺はうるさくなってきたので、ある部屋に向かった。 その部屋は、建物の裏に取り付けてあるエレベーターで行ける部屋。 ただし、行けるものは部屋の主に認められた者のみ。 その代償は、、、 エレベーターに入ると、扉が締まり、「血を認証します」と言われ、エレベーターに一滴の血を垂らす。 それだけだ。 2階に着くと、その主は待っていたかのように2人分のグラスを出して、呑気に寝ていた。 『はぁ……。いつまでたっても変わらないですね』 ソファで抱き枕を抱ながら呑気に寝ていた目の前の人物こそ、俺の主であり、俺の親である。
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