2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ミカと飲むんだぁー!って言って、仕事頑張ってましたよ。そのまま寝てしまいましたけどね」
『ガイさん……』
部屋の奥から出てきたのは、父さんの秘書であるガイさんである。
そーいえば、仕事が溜まってるって言ってたもんな…。
『それで、いつごろ寝たんですか?』
「ミカくんが、来る少し前ですから頑張って起こせば起きなくはないですよ」
そっか。
少し前なのか。
父さんは一度寝たらなかなか起きない人だ。そして、その寝起きも最悪。
寝てすぐ起こせば、手がつけられないほど暴れる。
だが・・・・
「ミカくんなら安心ですね。私がやると怒られてしまうので」
ガイさんの営業スマイルは、男の俺から見ても格好いい。
こっちが惚れてしまうほどだ。
『じゃ、起こしますね』
「はい。私は、お茶を持ってきます」
ガイさんはほんと無駄のない動きをして、尊敬する。
よし、ガイさんはいなくなったから殺人は起きない・・・・
前に1度だけ父さんが人を死ぬ直前まで、殴ってたことがある。
理由は、寝るのを邪魔されたからだ。
『父さん…起きる時間だよ』
「ん……ミ……カァ?」
『そうだよ。飲みたいって言ったのは父さんじゃないか』
そうなのだ。
俺は今日、起きてすぐ父さんに言われた。
いや、あれは宣言されたというべきか。
まぁ、そのへんは置いといて。
「う…ん…。起きた……」
『おはよ、父さん』
れっきとした大人が子供っぽいと言ったら世間の人はキモいと思うと思うが、それが違うのだ。
父さんは今は30歳。
外見は、イケメンの中のイケメン。と言っていいほど。
だから、動物で例えると、大型犬が餌をくれと飼い主に泣きついてきてる。
そんな感じなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!