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独り、病室の中で僕は思う。
僕は、弱い。
なにも出来ないと、言う訳でもなく。
だからと言っても、普通の人より出来ることは、限られてる。
僕は、無能。
僕は、臆病。
僕は、無力。
けれど、君は
君は、凄い。
なんでも出来ると、言う訳でもなく。
だからと言って、普通の人より特別な力を僕は、感じた。
君は、明るい。
君は、元気。
君は、優しい。
「もう、疲れたなぁ(ボソッ」
ガラッ
「涼ちゃん、クッキー作ったんだ~、一緒に食べよ」
「ありがとう、奈美。奈美は、いつも元気だな」
「あったりまえでしょ~。今更なに言ってるの。涼ちゃんも、私を見習って元気になりなさい」
「はいはい」
「はいは、一回!」
「あはは」
奈美の元気は、どこから出て来るのか。
ごめん奈美、僕は君を見習う事が出来ない。
「ごめんな、奈美」
「涼ちゃん?」
「僕はさ、もう駄目かもしれない」
「へ?」
「正直さ、もう疲れたんだよ。死にたい」
「涼ちゃん、なに言ってるの?」
「だから、ごめん」
ごめんな、奈美、ごめん。でも、もう限界なんだ。
「涼ちゃん、そんな事言うのヤメテ!」
「奈美・・・・・」
「疲れた?死にたい?。なに言ってるの!。涼ちゃんは、生きて、死ぬなんて私が、いや、涼ちゃんの帰りを待ってる皆が、許さないんだから!」
「奈美・・・・・」
「だから、生きて。謝らないで、私の欲しい言葉は、それじゃないんだから!」
「奈美・・・・・、ありがとう、僕、生きるよ」
「涼ちゃん・・・・・、あったりまえでしょ~。涼ちゃんが死ぬなんて、ありえないんだから」
気ずくと、僕の頬と奈美の頬には涙がつたっていた。
「「あはは」」
僕は、鎖から放たれた様で清々しい気持ちだった。
「でも、奈美がそんな事言うとは思わなかった」
奈美の豹変振りは、凄まじかった。
「だって幼馴染が、死にたいなんて言ってるのよ、そりゃあーなるわ!」
「あはは・・・・・、ありがとう奈美」
「はやく、元気になってね涼ちゃん」
「うん!」
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