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クラスのエアコンが壊れたため窓を開けて空気を循環させている2年5組の教室に、優しさのある生暖かい風がカーテンを揺らしながら入ってくる。包容力のある風がクラスを包むと、いよいよ夏が始まるという気持ちに駆り立てられた。
窓辺に座り、窓の外をぼーっと眺める者。
教室の後ろの方に座り、夢の中へと逃避する者。
教卓により近いところに座り、必死にノートをとる者。
誰しもが、夏を楽しみにしていた。
チャイムがなり解放されると、ぼーっとしていた者も寝ていた者もノートをとっていた者も、それまでの態度とは変わり、演技をしているのか素の姿なのか、どちらにせよ自分というものを形成して誰かと接し始めた。
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