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小柄というほど背丈が小さいわけではないが、幼さを帯びた顔立ちと内気な性格が、彼女を小柄のように見せていた。それを羨ましいと思うのは、女子においては、それが可愛らしさの特徴だからだろう。
しかし実際のところ、周りがどんなに欲しようとも、本人にとってはそれが不便だと感じる点が多くあまり気に入っていない、というのは誰にでもあることだ。
由紀も小柄に見える自分の姿を好んでいない。昨年までは、私服が許可されていたため自分の好きな服を好きなように着ていたのだが、年度が変わって以来制服の着用が義務化され、その制服姿というのが、背伸びをした中学生か、コスプレにはまった小学生にしか見えないのだ。
そして、まさに今、その姿で階段を降りていく彼女の姿は、学校見学をしていたら迷子になった、という様子でしか捉えられないほどであった。
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