2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒナは好きなやついるの?」
夏休みの合宿で幼馴染の裕太がそんなことを聞いてきた。
「、、、いるよ。」
私が好きなのは、裕太だよ。
そんなこと言えないけど。
「あ、、そーなんだ。へえ。」
聞いてきたくせにそっけない返事。
どう思っただろう。
「裕太は?」
ドキドキした。小さいころからずっと一緒にいたのに最近はドキドキしてばかりだ。
「、、、ん。まあ。いるよ。」
意味深な返事。
気になる余韻。
先輩に呼ばれるまでの十分間くらい、初めて恋バナを二人でした。
「、、いるんだー。へえ、、。そっか。」
幼馴染に好きな人がいるのはなんだか変な感じがする。
変な反応するしかなかった。
照れくさいのもあった。
けど。けど。
っショックって言うほうが大きかったと思う。
いつも、一人じゃ何にも出来なくて。
私がいつも一緒にいた。
昔はチビだったくせに、すっかり男の子になっちゃって。
高校になるちょっと前ぐらいにこのドキドキが恋だって分かった。
裕太にもすきな人がいるんだ、、。
なんか変な気分。
裕太がいつもより大人に見える。
汗をかいた、サッカーのユニフォームすらまぶしかったこの夏。
私は想いを伝えないことを心に決めた。
人工芝の照り返す太陽の下。
私の想いは熱くなっていくばかり。。。
最初のコメントを投稿しよう!