きみと僕の答えは蝉時雨の中

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「ねえ。自殺って悪いことかな?」 君はいつだって僕に疑問をくれた。 僕はいつだって曖昧に答えて聞き流している。 最近、騒がれている終活。 自分の終わりを見つめる活動。 テレビの中では真剣に考えているけれど実際人が死を考えることは少ない。 僕だってまだ若いを理由にそんなことを考える気になれない。 というよりも、想像が追い付かない。 全てが雲を掴むような、霞を喰らうような世界だ。 君、彼女は僕とは腐れ縁の中だけどそうした終わりを常に考えていることを僕は知っている。
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