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「分からないよ」
僕もどうしていいか分からないまま彼女に寄り添った。
その中でぐるぐる回る自殺への正論は浮かばなかった。
そのあと彼女を家に送り、僕はいろんなことを考えた。
勝手に生きても、律儀に生きても、必ず迎える最期を。
ふと、足を止めた先は本屋だった。
今は夏休みの真っ只中でお盆が近い。
アーケードや自治体では夏祭りや七夕祭りの最中だ。
僕が止まった本屋はほとんど閑古鳥が鳴いている。
店番の店員もカウンター越しに座り、気ままに読書などしている。
閑散とした本屋は「文新堂」と書いてある。
本は黙って積み重ねられ、狭い店内の棚にところ狭しと納められている。
週間漫画のところに中学生、文庫のコーナーに女性が居るだけだ。
僕は、店に入った。
クーラーが良く効いている。図書館みたいで気持ちがいい。
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