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涼みながら店内を一回りして、相続や税金、経済を纏める棚を見つけた。
普段は気にも止めることがなかったスペースには小難しい本が並んでいる。
遺言書の書き方に加え、終活の手引きなど豊富な題名ばかりだった。
その中でも、フィニッシュノートの存在が興味を引いた。
彼女があんな重たい質問をしたのがいけないのだと自分に言い聞かせて、書籍を開く。
フィニッシュノートは自分のことを知らせるノートなそうだ。
水道や電話料金の客番号や物件価値、遺影写真の指定、主治医、友人の連絡先とありとあらゆるものを記したもので、遺書のように法的効力はないらしい。
それを作ることで、あとの人。つまり、身内や周りに迷惑を掛けないようにするそうだ。
他の情報も知りたくて書籍を漁った。
フィニッシュノートは若い頃から書いたほうがいいとある。
親が子供に経済を理解させることで、将来子供が破綻しないようにすることもできるのだそうだ。
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