Operation 1  任務

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この世界は何故。血と血で洗い流さなければ気が済まないのだろうか? 辺りを見たわせば人間の死体の一部が無造作に土煙をまきあげる茶褐色の地面に転がっているのか。それを貪り食うハゲタカの群れとそのおこぼれをいただこうとする肉食動物の数々。人が食われているという現実からは逃れることはできないこの世界。 戦争は日々。もといい。この瞬間さえも世界の有り様を変えている。 俺は兵士だ。金で雇われたただ一人の傭兵に過ぎない存在。金こそが俺の友人であり、人間で言う戦友みたいなものだ。人間なぞ一発の銃弾や爆発に巻き込まれればそれはただのゴミにしか過ぎない。 やあ。今日もまたあったね。良かった君が生き残ってくれて。俺は今日またひとり。戦友を無くしたよ。 昨日俺に話しかけてきたひとりの戦友が悲しげに友の死を受け入れていた。俺は目の前にある死体袋を見つめていている。昨日話しかけてきた戦友はもう目の前にある死体袋の中に横たわっている。こういう時に素敵な言葉でいうなら『諸行無常』だろうな。俺、日本人じゃないからよく分からんがそうだろうな。 そんな出来事を知らずにのうのうと自分の家で一日を過ごせる奴が羨ましいな。街頭デモをしている奴は今日もこんな風に叫び続けているだろうな。 「戦争反対!徴兵は許してはおけない!万死に値するおこないだ!」や「私は戦争に参加しません。」―― ――といった具合に。俺達の事を助けたいという善意が、俺にとっては胸くその悪い事だ。一応言っておくが、俺は世界の有り様を人一倍よくしっている。こんなクソッタレな戦場はどこにでもある。傭兵として世界中を歩き回った俺だから知っていることを語っているからだ。 今日もまた俺がいまいる前線基地に死体を積んだ輸送トラックがやってきて、死体を並べる作業を任された兵士達によって、トラックに積み込まれた死体を二人の兵士が、慣れた手つきで地面に手際よくひとり、またひとりと息をしなくなったあるいは一体誰のものなのか判別が不能な死体の部位を放り出している。 トラックから落とされた死体を死体袋を持っていた兵士によって回収作業が行われているようだ。死体袋に詰め込む作業をするもの、死体をトラックから放り出している兵士は全員衛生対策だろうか、ガスマスクを装着しており、余計にその不気味な光景が引き立てられており、虫唾が走る。
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