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経理課の主任、青山さん。 私よりも2年先輩で、なぜか私を敵視しているらしい。 今回の企画会議もこの人が鬼門とだと課長に釘を刺された。 仕事はできるが、男尊女卑の傾向があるようで、男並みに働く私を快くは思っていないらしい。 「自分のミスを、この会議で露呈したようなプレゼンに前期とコストは変わらないのに利益が減るというリスクを考えているんでしょうかね?それに、このあとの予算会議を甘く見ているようだが、ミスをしていらない出費を出した部署にこれまでと同じような予算が降りるとでも?」 「・・・」 くそ、なにも言えねぇじゃねぇか・・・ なんだよ、こいつー・・・ 「まぁ、それをここでいう話ではない。予算やこの企画をどうするかはこのあとの話だ。ひとまず、この企画は一度私で持ち帰らせてもらっても構わなかな?」 「はい。もちろんです。宜しくお願い致します。」 青山さんは、少し悔しそうに眉を寄せて眉間に皺を作ると次の資料に目を移してしまった。 ほんと、陰険野郎め。 そのあとも、各部署の今期の報告と来期に向けた企画などのプレゼンが続き、長い会議が終わった。 「お疲れ様、玲佳。」 「お涼。そっち、風で煙行くからこっち座んなさい。」 「・・・あんた、男になれたらいいのにね。」 「それ、私も思うわ。」 人事部として会議に出席していたお涼に声をかけられる。 いつもの屋上の喫煙場所で、お涼が来るのは決まって青山さんに私がキツく当たられた時だけ。 「今日も相変わらずだったわねぇ、青山さん。」 「ほんとなんなの、あの人。」 「あれねぇー・・・まぁ、男のプライドと見栄ってやつよ。」 「はぁ?なにそれ。」 「あの人、本当は営業志望だったんですって。しかも入社当時は営業で、藤和の担当してたらしいわよ。」 「はぁ?聞いたことなかった。」 「私も最近部長に聞いたのよ。あんたへの当たりがひどくなったから、どうしたもんかって相談した時に。」 お涼の口ぶりに、なんだか言いたくなさそうに感じる。 というか、青山さん営業だったんだ。 知らなかったなぁー・・・私が営企課に配属される前のことよね。 ってことは結構昔のことじゃん。 「でも、なかなか藤和が腰を上げなかったから、成績も低迷しちゃって配置転換であんたとトレード。たまたま玲佳だっただけで、私だったかもしれないし、誰であっても同じだったのよ。」
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