始まりと終わり

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始まりと終わり

「なーんで、Excel一つも使えないのかなあ…ヒック」 カウンター越しにいる、スーツを着た女性が、愚痴をこぼした。 彼女は、会員制のこのバーによくくる客だ。大手企業の会計係だという。 彼女、もうワインを五本も空けている。安くてうまいという銘柄だが、もうこれで八千もの金を使っている。 「アッタさん…ねえ聞いてくださいってばあ…」 全く、よく見ればわかるのに。 アッタ…熱田 刻晴(あつた ときはる)。勿論、バーでの偽名だ。 並べ替えてみろよ。 晴田 時圧…俺の本名、そして… 「あの、晴田 時圧ってやつよう…」 バイト先のところでそれを聞くとは、上等だ。 …fin…?
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