第7章 沈みゆく意識の中で

6/6
前へ
/6ページ
次へ
気が付くと僕は砂浜に立っていた。果てしない海、照りつける太陽と青空。 さらに服はずぶぬれだ。口の中が塩辛いのは海の水を飲んだからだろう。 水着を着た人々が行き交う浜辺、楽しそうな笑い声が響いてくる。その中に僕は立っている。 ふと周りを見ると、近くに桟橋があった。僕の足はそこに向かっていた。 そしてへりに立つと僕は大きく息を吸い込んだ。そして叫んでいた。 「ゲンゾウさーん!マコトー!」 その叫びは大海原に響く。近くの人が驚いて僕を見るが構うものか。 その時声が聞こえた、気がした。 おーう!という二人の元気な声が。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加