第7章 沈みゆく意識の中で

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目が覚めた。 ふと見ると僕は桟橋に立っている。桟橋は木で出来ており、少し古びている。その先は霧に包まれその先は全く見えない。 ふと僕は自分の体が濡れていないことに気づく。どこを触っても水気は感じない。服も乾いている。何故だろ? それに何故かところどころ記憶がない。何故僕はここにいるのか。何故水の中に落ちたのか。ここはどこなのか。誰に助けられたのか。何が、いったいどうなっているのか。 これは夢か、現実か。いや、もしかしたら地獄なのか。 「まあ、いいか……。しかしここには僕しかいないんだろうか?誰もいないのかな?」 しばらくその場で立ち尽くす。すると霧の中から誰か現れた。それはどうやら人のようだ。黒の野球帽を深々とかぶり、半袖短パン。帽子から覗く黒髪。 「お兄さん、どうしてそこに立ったままなの?」 「え?あ、ああ、いや。ちょっと考え事をしててね」 すると彼?は首をかしげる。何故?が付くというとその容姿と反し顔立ちは女の子のようで声も少し高かったからだ。 だがそんな疑問を浮かべた直後、彼?は僕にこう告げた。 「でもここにいるって事は死んじゃったって事だよね、お兄さんも。ボクもそうだし」 「えっ?そうなの?って僕は死んだのか?」 「うーん、どうなんだろ?ここに来ちゃったって事はそうなるかもしれないけど……。あ!ゲンゾウに聞いてみれば分かるかも!」 「ゲ、ゲンゾウ?それはいったい誰なんだい?」 僕が訊ねるがそれにお構いなくその子は走っていく。慌てて僕も追いかけていく。 すると先程まで桟橋には誰もいなかったのにも関わらず、誰かが座っていた。どうやら老人のようで桟橋から釣糸を伸ばしていた。
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