救世主

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それに友達が話を聞いてくれない中、1人悩んでいた所にまさか初対面の男の子が話を聞いてくれるなんて思ってもいなかった。だから、その優しさに思わず泣いてしまった。 そんなわたしの姿に男の子はさらに慌てふためいて謝ってきた。 「えっ! ごめん! もしかして言いたくなかった?言いたくないなら話さなくていいんだ。余計なお世話だったよね、ごめんね!」 わたしも突然涙腺が崩壊してしまったので首を横に振って男の子に謝った。 「わたしの方こそごめんなさい。違うんです。その逆なんです。今まで1人で悩んでいたから話を聞いてもらえるのが嬉しくて……」 泣いて上手く話せなかったけれど男の子は「そっか」と優しい笑顔で言ってくれて、わたしが落ち着くまで側にいてくれた。 「少し落ち着いた?」 「……はい。いきなり泣いてすいませんでした。ハンカチ、どうしよう……。洗って返します」 すると男の子は笑いながら「気にしないで」と言ってわたしの手からハンカチを受け取った。 「さっきは驚かせてごめんね。こんなところで手を合わせてたからどうしたのか気になって。近くに公園があるからそこで話を聞いてもいい?」 「……はい、本当にありがとうございます」 男の子の優しい言葉に涙腺がまた緩みそうになる。わたしが我慢していると男の子は「持ってていいよ」とハンカチを渡してくれた。
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