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わたしは恭也君におそるおそる質問した。
「恭也君はどうしてわたしが悪夢を見るようになったか原因が分かるの?」
恭也君は少し顔を俯かせその後「分かるよ」と言って教えてくれた。
「相田さんが悪夢を見るようになったのはあの鏡が原因だな」
「鏡? 肝試しが原因じゃなくて?」
「肝試しは単なるきっかけにすぎない。肝試しのルートであの鏡の場所を通らなければ悪夢を見ることもなかったんだ。だけどまだ引っ掛かることはあるな……」
そう言って恭也君が俯いて考え込む。
解決策を知りたかったけれど、どうして恭也君はこんなに詳しく知っているのだろう?逆に知りすぎている恭也君にわたしは少し不安を覚えてたずねてみた。
「恭也君は……何でこんなに詳しいの?」
現実的にありえない、誰も信じてくれない話を聞いてくれるいい人だと言うのに、恭也君のことが少し怖くなって言葉が震えてしまった。
わたしの不安そうな顔がでていたのだろう。恭也君は安心させるような微笑んでから理由を説明してくれた。
「……実は俺も最近まで相田さんと同じ状況だったんだ」
「えっ! 恭也君も?」
まさか恭也君がわたしと同じように悪夢を見ていたなんて思ってもいなかった。そして恭也君は首を縦に振り、続けて詳しく説明してくれた。
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