救世主

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わたしが涙目になっていると恭也君はカバンから紙とペンを取り出して何かを書き始めた。 「これ、俺の連絡先。また今日の夜でもいいからいつでも連絡して」 連絡先を書いた紙をわたしに渡すと恭也君は「不安になっているのにごめん」と言って足早にどこかに行ってしまった。 そして、1人ポツンと残されたわたしは恭也君から渡された紙を眺めるしかなかった。 ……恭也君が頼りだ。 わたしはその紙を大事に畳んでズボンのポケットに入れ、その後行くあてもないので自宅に帰ることにした。 解決方法はすぐに聞けなかったけれど今日の夜にでも連絡しよう。 そう思ったわたしは行きと違って話を聞いてもらったおかげか気持ちが落ち着き少しだけ足取りが軽くなった。
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