闇と光

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「ただいまー」 自宅へ帰ると母親が「おかえり」と出迎えてくれた。 非日常に襲われている今、母親との何気ない日常のやりとりにホッとしていたら気が抜けて眠気が襲ってきた。 けれども寝たら悪夢を見てしまう。 わたしは眠気を紛らわすために家に帰ってきたばかりだけれどカラオケに行くことにした。 「帰ってきたばかりだけどカラオケに行ってくる」 「今、帰ってきたばかりなのに? 世話しないわねぇ」 母親の呑気そうな声にわたしはため息をついた。 「好きだからいいでしょ」 「まぁ、別にいいけど」 そう言って母親はリビングに戻ってしまった。 カラオケをすることに決めたわたしはまたすぐに外に出かけていつもの道を歩く。9月になり少しずつ夏の暑さは和らいできた。 ……少し走るか。 わたしは眠気を醒ますためにも小走りでいつものチェーン店のカラオケを目指した。 「いらっしゃいませー」 店員に出迎えられ店に着くと涼しい空気がわたしを包む。いつものようにわたしはフリータイムで受付を済ませると店員から言われた部屋番号を目指した。
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