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「ねねちゃん、起きなさい!もう8時!!」
いつも聞く、母親の声。
目を開けると、部屋のもわっとした空気を感じた。
(ねねちゃんか。今日は母さん機嫌が良いみたい。。。)
そんなことを考えながら携帯を見たら、時刻は8時10分。
ーーーそろそろ起きなきゃ。
ベッドの上で大きく伸びをしたあと、歯を磨くため洗面所に向かった。
もうすぐ60歳になる母親は、歳のせいか機嫌が悪い日良い日の差が激しい。
わたしを、ねねちゃんと呼ぶ日は機嫌が良い。
テレビのニュースではここ最近同じ事を言っている気がする。
『週のはじまりです。今日も本当に暑いですね、熱中症にお気をつけ下さい!』
歯磨きしながら部屋の窓を空ける。蝉の大合唱。
化粧をし、服を着替え、急いで朝ご飯を食べて会社へ向かう。
「ねねちゃん!日傘持った?」
「持ったよ、行ってきます」
ああ、日差し強い。そういえば最近梅雨明けしたんだっけ。
日焼け止めもっとキツく塗っておけば良かった。
そう思ったけど、時間がない。いつもより少し早く起きておけば‥‥
ニュースと同じで、毎日同じ事を思っている。
変わらない毎日、自分だけが止まっているように感じている。
変化を感じるのは、毎日顔を合わす両親の老いを感じるとき。
27歳、人生もう甘えてはいられない。
これも毎日思っている。
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