1、シトラスの君

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「結城さんおはよー」 「おはようございます」 10時前、会社到着。汗を拭きながら、メールチェック。 朝礼を済ませ、コーヒーをいれ一息。 徐々に社内の温度も涼しくなってきて、ようやく頭が冴えてきた。 自分が仕事モードに切り替わっていくのが分かる。 ここは某アパレル会社。 といっても接客をするわけではなく、オンラインショップの運営をする部署。 アパレル会社なだけあって、自由な服装、髪型。職場のひとは若い人が多い。 「結城さん、今週は商品数多いみたいだから巻いて頑張って撮影お願いしますね」 隣に座る上司、八木さんがニコニコしながら言う。 この人は1つと年下なんだけれども、仕事が大好きで何より服が好きで働いている。 「了解です、さっそくスタジオ準備しておきます」 スタジオを軽く掃除した後、ストロボの電源をいれ、カメラをセッティング。 あとはアイロンをかけた商品をひたすら撮影するのが私の仕事だ。 「毎日暑いのにもう秋冬かあ。1年ってはやいねえ」 八木さんが大量のニット類をかけたものを持って来る。 季節を感じれないのがこの仕事だ。 「また撮影終わったら連絡しますね」 そう言うと八木さんはOK!と返しスタジオを出て行った。 「よーし、やるか・・・」 薄暗いスタジオで、今日も黙々と作業。
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