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弟!? 全部? 四人兄弟?
鈴音はまじまじと春一の兄弟たちを見つめる。
どの兄弟も、あまり春一とは似ている風には見えない。
一番背の高い夏樹は、赤い髪のせいか少し軽薄そうに見える。
耳にピアスの穴もいくつか空いている。
三男の秋哉は元気いっぱいな印象。
少年漫画のヒーローみたいだ。
四男の中学生の冬依は、細くて柔らかそうな髪がサラサラと小さな横顔にかかっている。
突然現れた鈴音のことをチラリと見ると、一瞬にして興味を失ったみたいで、またもくもくとご飯を口に運んでいる。
ずいぶんとマイペースな性格らしい。
春一は、今度は鈴音のことを、三人に紹介した。
「こっちは雨山鈴音さん。訳あって、今日からしばらく一緒に住むことになった」
「えーっ!」
まず声をあげたのは、秋哉だ。
「ハル正気? ウチに余ってる部屋なんてどこにもねーぜ」
春一は、
「コラ、兄さんと呼べといつも言ってるだろ」
一言たしなめてから、
「だから冬依、お前しばらく秋哉の部屋に移動してくれ。鈴音さんには冬依の部屋を使ってもらう」
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