1 賑やかな兄弟たち

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弟!? 全部? 四人兄弟? 鈴音はまじまじと春一の兄弟たちを見つめる。 どの兄弟も、あまり春一とは似ている風には見えない。 一番背の高い夏樹は、赤い髪のせいか少し軽薄そうに見える。 耳にピアスの穴もいくつか空いている。 三男の秋哉は元気いっぱいな印象。 少年漫画のヒーローみたいだ。 四男の中学生の冬依は、細くて柔らかそうな髪がサラサラと小さな横顔にかかっている。 突然現れた鈴音のことをチラリと見ると、一瞬にして興味を失ったみたいで、またもくもくとご飯を口に運んでいる。 ずいぶんとマイペースな性格らしい。 春一は、今度は鈴音のことを、三人に紹介した。 「こっちは雨山鈴音さん。訳あって、今日からしばらく一緒に住むことになった」 「えーっ!」 まず声をあげたのは、秋哉だ。 「ハル正気? ウチに余ってる部屋なんてどこにもねーぜ」 春一は、 「コラ、兄さんと呼べといつも言ってるだろ」 一言たしなめてから、 「だから冬依、お前しばらく秋哉の部屋に移動してくれ。鈴音さんには冬依の部屋を使ってもらう」
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