episode156 王子の仮眠

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「アア……ダメだ……」 いくら穏やかに抱こうとしても 身体は言うことをきかない。 快感に貫かれた僕は 我を忘れてどんどん夢中になってゆく。 案の定。 和樹はうっすらと瞳を開き 自分に跨る男を不思議そうに見上げた。 だけど 驚きやしなかった。 彼は――。 「……和樹?」 やっぱりだ。 「いいのか?」 「ウフ……ンッ……」 代わりに赤い唇を開いて 僕の舌を根元までたっぷりと招き入れた。 これが前途多難な 僕らの旅のはじまりだった――。
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