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簡単に話すと真相はこうだった。 ”まさみ”は母親の名前だった。 ただ、山崎さんの母親ではなく、彼氏の。 彼はずっと母親のことをかあさんでもママでもなく 名前である”まさみ”と呼んでいたらしい。 なので会話で母親の話が出ると、”まさみ”と言ってしまい、山崎さんはそれをとても嫌がっていた。ずっと。 彼女には「気持ち悪いからやめてほしい」と言われ続けて気を付けてはいたが、つい名前で話してしまうことがあったらしい。 「もう癖になっていて仕方ないんだよ」と寂しそうに話してくれた。 まあ癖は仕方ない。習慣はこの世で恐ろしいものの一つだって話はこの世に溢れている。 それでついさっき山崎さんの限界が来たらしい。 ということで由紀が初めに言った「親の名前を呼んだ」というのはなかなかどうして、的を得ていたということになってしまった。
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