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食堂は静かになっていて、うちら以外では2組いるだけとなっている。
「というわけらしい」話を聞いていた由紀は何か考えている様子だ。
「なるほどねー。それはまた悩ましいね」
「悩ましい?」
てっきり、気持ち悪い、ただのマザコン男かよ、なんてことを言うのかと思っていたけど、違っていた。
「だって相手の家族関係なんて二人の恋愛にはほんとは無関係じゃない。彼氏にだって事情があったんだろうし、他人の生育歴とかそういうのって本人にはどうしようもないことでしょ」
これが由紀だ。
「確かに嫌かもしれないけど、本人の性格とはまた違った要素じゃない。第三者が深く関わってしまう恋愛ってやっぱさみしいよね」
たまにこんな一面を見せてくるから困る。
「まー結婚とかになったら別なのかもしれないけどさ。彼氏の方もこの先この問題で苦労し続けるのかな」
「今までもあったらしいよ」
「山崎さんも次の彼氏はマザコンじゃないかと徹底的に警戒しちゃうだろうし。自由恋愛の癖にどんどん自由じゃなくなってきちゃうね」
あ、でもそこはマザコン認定なんだな。しかも別れちゃうのね。
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