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「由紀はたまにこうなるよな」
「なにがよ」少し照れくさそうにしている。
「別に」意図は伝わったらしい。
「でも祐太すごいじゃない。たぶんこの真相に辿り着いたのはうちらだけね」
「すごいのか」たまたまだと思うけど。
「うん、すごいよ。それに楽しかった!」
由紀は笑顔でそう口にした。
俺は忘れていたことを思い出す。
突然の怒鳴り声で、すっかり話が脱線している。
二人が一緒にいるのはこんな話をするためではない。
戻さなきゃな。
「う、うん。昨日の答えだよね」頬を赤らめて答える。
「昨日ね考えたんだけど、あんまりまとまらなくて。でも、祐太がトイレに行っている時に答えを出した」
そうか、由紀は
「あのね、祐太といると楽しいんだなーって」
こんな表情もできるのか。
「さっきのことで改めて思ったわけだよ」
こんな優しい目をすることもできるのか
「山崎さんたちに感謝しなきゃよね」
まだまだ知らない由紀もいるんだろう。
「それでね」
優しい眼差しで由紀は口を開く
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