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「ああ、そのことか」
「は?そのことに決まっているでしょ。まさか聞いきてないの?あんなにばかみたいに時間かかってたのに。全然できない子じゃないの。できる子と言った私の時間返してよ!」
棒読みだったじゃないか。
「いや、まてよ。ちゃんと聞いてきたって。どうやら、まさみ、って呼んでしまったらしい。」どう書くかはわからないが。
「まさみ?」
「そう、まさにまさみだ。まゆ、ではなかったけど近いね。つい、まさみって言ったら怒鳴られたって」てかまゆっていうのは適当に言ったんじゃないだろうか。
「ふーん。まさみか。なんかまさみっぽくないけど。まゆっぽいのに。」
なんだそれは。てかやっぱり適当だったか。
「それで、なんでまさみって呼んだら怒られたの?」
「どうやら、前々から呼ぶなって言われてたらしい。でもついつい、まさみって呼んでしまう、と言っていたな」
もう癖になっているから仕方ないんだよ、とも言っていた。ということは付き合い始めは嫌がっていなかったことになる。
「何度も言っても直らないから、ついに怒りが爆発したわけね。で、なんでその名前を呼んじゃいけないのよ。」
由紀はとても楽しそうに見える。
「そんなことは知らない」
「は」
なにその怖い顔。
「そんなことは聞いてきていない」
「でもさっき、すごいことを聞いてきた、って言ってなかったっけ」
「ああ、そうなんだよ。聞いても怒らないでな」
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