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「元カノ?」
「そう、まさみは元カノの名前よ、絶対。この世に絶対があるとすればこのことよ」
もっと素敵な絶対はないのだろうか。
「元カノかー。」でも引っかかる。
「元カノの名前をついつい言う場面なんて食堂であるのか」
「どうせゆるふわ巨乳の山崎さんが元カノってどういう人だった、って聞いて、まさみは・・・、って応えてしまったに違いないわ。男はデリカシーがないよ全く。水くらいかけてやれば良かったのに」
「なるほど」ありえるのかもしれないが、休み時間に話す内容なのか。女はわからない。
「でも彼氏、ついつい、って言ってたからなー。あれは癖になっているような感じだったぞ」元カノの話ばかりしていたら話は別かもしれないが。
「それが何よ。・・・それか双子ね」
「双子?」
よくこうも色々浮かび上がるな
「そう、山崎さんには双子がいるのよ、ゆるふわな双子が」
「双子がいるのか、山崎さんには」ぜひ会ってみたい。
「そうよ、それで間違えて呼んじゃうんだと思う」
「それはありえるかもね」双子がいればの話だけど。
「3人は幼馴染なの」
「なんだって」どこかで聞いたことあるな。
「それで最初は妹のまさみと付き合っていたの。でも別れ・・・いえ不慮の事故で亡くなってしまったのね。それで今は姉のまゆこと付き合っている。」
映画ができそうだ。
「まさみとは元カノで双子の名前ね!間違いない!!」
なんて嬉しそうな顔をしているんだろう。妹を勝手に作り、勝手に殺してしまったのに。
由紀は一人で自分の推理に満足して、俺が買ってきたお菓子を食べている。
俺は何か大事なことを忘れていないか。
「ちょっとトイレ行ってくる」
「あ、もしトイレで例の彼氏に会ったら、大変だったね。妹の分まで幸せにしてあげなよって伝えておいてね。あとこのソフトキャンディー嫌いだからいらない。あ、ゆるふわの彼氏にでもあげなよ」
「誰が伝えるか。てか都合よくトイレにいるかよ」
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