第1章

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彼との付き合いは長くなるだろう。 私が彼と会ったのは・・・確か、3年前の今の夏頃だ。蒸し暑く、蝉がうるさい季節だ。 だが、そんな彼は私を“買って”くれたの。 感動した、いや・・・号泣したね。 だから、私はその3年間の恩返しの為に・・・、彼の部屋を掃除しているのだ。 ベッドの下や、床など・・・埃(ほこり)が舞っていたが、私にかかれば問題ない。 そして、私は掃除をしている途中にさりげなく・・・・・・彼に文字(メッセージ)を書いたのだ。 あ、床にね? これだったら彼は見てくれるだろうし、感謝間違えなしと思う。 っと、考えている最中・・・彼の部屋のドアがガチャっと開いた。 誰かが入室してきたのだ。 私は部屋に入って来た人物を確認した。まぁ、確認しても・・・どうせ彼だろう。 「ただいまー。」 予想通り私の彼氏だった。彼は大学生在住で、年は21歳だ。 「お、綺麗になってるな。流石だな。」 彼は私を見て感謝の言葉を送った。・・・少し、嬉しい。 「・・・・・・ん?」 そして、彼は床に目をやり私が作った文字(メッセージ)を見た。 そこには“埃で”こう書かれていた。 『大好き』・・・、と 彼は目を疑った様な表情を作り私を二度見した。 そして、彼は驚きの表情を私に見せてこう言った。 「ルンバ・・・もう、潮時だな。明日は燃えないゴミの日だったな。」 彼はそう言って、私をヒョイっと持ち上げてゴミ袋に積めた。 私の電源ボタンを切って捨てたのだった。
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