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「んー、でも・・・」
「入ろっ入ろっ!」
「入ろっ入ろっ♪」
華やかな門に向かって歩き出せば、すかさず泉に首根っこを掴まれる。
「待ち合わせなんだから大人しくしてろ」
「まったくもう・・・姉ちゃんってばそう言うとこ全然変わってねーなー」
「「・・・」」
そう言う俊は全身からそわそわが漏れていた。
そして五十分後。
「ごめんごめんー待った~?」
「ごめんじゃねぇよ。待ちくたびれたよ。三十分も遅刻するってどういうこと?朋基っ!!」
その耳をちねってやった。
「イダダダダ!!とれるっ!!耳とれるぅ!」
「取れろバカっ!」
ぱっと放り出せば「耳着いてる?取れてない?」と俊に確認を迫りながら擦っていた。
「つか何で咲や花(はな)は怒られないの・・・」
「咲や花ちゃんはあんたの巻き沿い食らっただけでしょ。どうせあんたのせいで遅刻したに決まってるわよ。ね、咲」
元々長かった髪をすっかり切った咲。
「うん、正直今日のは朋基君のせいかなー・・・」
「ほら見なさい」
「唯ちゃんママっ」
朋基をしばかんとしていれば咲のおしとやかな女の子らしい顔をしっかり受け継いだ花ちゃんに呼ばれる。
「どうしたのー?」
「今日もきれいっ」
「あらこの子ったら正直者めっ!何でも欲しいもの言ってー?何でも買ってあげるっ」
それまで怒ってたことなんてどうでもいいほどご機嫌を取り戻す。
少し離れた場所で「ちょろいぜっ。花、ナイス。今日一日この調子で頼むぜ」「うんーっ」なんて会話が繰り広げられていることも知らずに。
「やっと皆揃ったんだしいっぱい遊ぶぞー!!」
「「「「オーッ!!」」」」
腕を突き上げ気合いバッチリ。
さぁ、今日もきっと楽しい一日になる。
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